こんにちは、四葉静ことヨツバセです。
さて魔法科高校の劣等生の30巻が発売開始されました。
30巻の内容を「メモの魔力」で予想してみたのですが、自己評価70点くらいの的中でした。
Mikanお嬢様に言わせると、私が予想した通りの展開だったので、意外さに驚くようなことは全く無かったとのことです。
(いちおう、KADOKAWAページから第二期アニメ化を予想し、それも当たりました)
私も昨日も3時間しか寝ていないのに、がんばって3時間かけて読みました。
お嬢様がお読みになるとはいえ、我ながら良い歳した大人なのに、呆れてしまいます。
(めでたく累計1,000万部を突破するほど売れている本なので、つい読み込んでしまうのも、仕方ないかもしれません)
何とかに付ける薬は無いとも言いますし、さっそく感想を書き綴ってみましょう。
米国での活躍は予想通り
「さすオニ」と呼ばれるだけあって、「さすがです、お兄様」という展開です。
予告通りに米国へ行って大暴れします。”魔法のじゅうたん” ではなくて空陸両用カーが登場しますが、そんなものでしょう。
ただし予想を外れて、クラーク親子は「フリズス・キャルブ」を譲り渡すことはないです。
レイモンド・クラークは登場しますが、九島光宣に忠告されて、二人して司波達也の「魔の手」から逃れます。
ともかく被害を最小限に留めるように配慮しているとはいえ、無双して戦っています。
ともかく “再生” という魔法を持っていると便利です。
八雲先生と戦った時と同じように、「肉を断ち切って骨を断つ」で突き進みます。
お互いの魔法の性質によるのでしょうけど、九島光宣でさえも真向勝負をするのを避けます。
ホント、なんだか30巻は、いつにも増して「お兄様の悪役感」が強いです。困った主人公です。
彼を相手に戦えるのは、カノープス少佐くらいでしょうか。
カノープス少佐の人脈はさすが
この部分の予想は大当たりだと言って良いでしょう。
カノープス少佐は意外な人脈を持っていました。その人脈によって「カノープス少佐の救援活動」が実施決定されます。
そう、司波達也は「コネ」という “新しい力(?)” を得ます。
これが「お兄さまの悪役感」に拍車をかけているのかもしれません。
それにしてもいぶし銀のような渋いオジサマのカノープス少佐ですが、同じ男性としても憧れます。
とんでもない人脈を持っているのに、それを隠して使わずに、己の力量の範囲内で生きていたのですね。
潔い人です。
一方で司波達也は、お構いなしに遠慮なく東道青波閣下のコネを使います。
もう少し彼に八雲師匠のような先見性があれば、上司にした人ナンバー・ワンも夢ではないかもしれません。
(部下にしてみれば上司の才覚は重要で、勝つために手段を選ばない人の下にいた方が安全です。敵に回るとやっかいですけど)
しかしこの巻では、彼も少しずつ先見性を指導されて、成長が進んでいるように見えます。
佐島ワールドの登場人物は、このようなところまでリアリティを持ってキャラづくりされている点が流石です。
葉山執事や風間中佐は参謀として優秀ですけど、これから長く司波達也の片腕として戦っていくには年齢が高過ぎます。
ここらへんは花菱兵庫執事も存在しますが、カノープス少佐あたりに期待したいところです。
ともかくストーリー作りに必要だとはいえ、あまりお間抜けな “お兄さま” を見るのは辛いです。
30巻の本題:人間の尊厳と独立
興味のない人が多いと思いますが、”I changed my mind.” と、今までとスタンスを変えるのが30巻です。
そういう意味で、佐島ワールドは少年少女向けに、政治とか世界との取り組みを問いかけて来ます。
単に「選挙で投票しようね」という単純な話ではありません。
なぜ人間は集団となって社会を形成し、政治というものをするのかといった世界の仕掛けを学ぶことへの招待です。
そして高校の社会を学ぶ者には当たり前の、軍隊とは何ぞやという問いかけです。
銀河英雄伝説という小説にも登場する政治の話と共通です。
軍は本来、政府の、つまり人々の支配下に置かれている必要があるという話です。
このため、今までは良い感じだった佐伯少将が悪役に転じます。
自分の信じることのために突き進んでしまいます。
本来、軍隊というのは嫌でも大統領や総理大臣の指示に従う存在です。正義の味方じゃありません。
まずは藤林響子さんが、お手本となるように課題を突き付けられましたね。
彼女の今後の動向も気になるところです。
お嬢様のポイント:恋バナ
自ら頼んだとはいえストーリー展開を予想されてしまったMikanお嬢様にとって、唯一楽しかったのは恋バナだそうです。
実は私には全くピンと来ませんでした。サッと読み飛ばしてしまいました。
しかし裏表紙に描かれているところを見ると、製作陣としては強調したいポイントのようです。
事実、我が家のお嬢様にはヒットしました。
しかしこれって、後に尾を引きそうな伏線になるかもしれませんね。
彼は司波深雪を慕っており、恋敵となる。そこを佐伯少将が利用すれば、一大決戦のネタになる、と。
単なる恋バナで終われば良いですけど、関係者の持つ能力はとんでもないレベルです。
何事もなく終わることを期待したいです。
静かな暮らしとは縁のない人々
ホント、力があるというのは嬉しいことばかりではありません。
私は小さい頃は体も小さいし、頭も良くありませんでした。
だから人から期待されることもなく、気が楽でした。
しかし努力して英語が出来るようになって海外生活経験を積んだ一家の主となると、いろいろと期待されます。
ここら辺は「魔法師の義務」とも関係するかもしれませんが、なかなか迷惑な話です。
しかし迷惑だからといって自己本位に走るのも良くないし、逆に我が身を社会の礎に捧げるというのも「あるべき姿」ではないでしょう。
こういうことまで少しずつ考えて貰いたいと筆を進めているようで、本当に一読をオススメしたいSFジュブナイル小説というところでしょうか。
何かに頑張って取り組んでいると、自然とそれなりに得意なところが出て来ます。
そうすると最初は注目されるようになって良い気分になって天狗になりますけど、そのうちに上手に踊らされている自分に気づくことがあります。
世界と自分をどのように関係させるのか。中二病ではありませんけど、こじらせると結構厄介ですね。
まとめ
さて魔法科高校の劣等生の第30巻ですけど、小説としても、司波達也を始めとする登場人物たちにとってもターニングポイントとなる一巻でした。
とりあえず「愛の逃避行」は一段落して良かったです。
それから必殺魔法の「マテリアルバースト」も、使用されることが無くて良かったです。
そして「魔法科高校の劣等生 第31巻」ではベゾブラゾフ博士も登場し、Mikanお嬢様がお待ちかねの一大バトルが展開されるようです。
私はバトルなくあっさりと片付いてくれそうな予感がしていますが、お嬢様は「バトルだ、バトルだ!」と喜んでいます。
(小学校五年生で、このレベルで大丈夫なんだろうか?)
ともかく楽しみは続きそうです。
また出来るだけ書かないように努力しましたが、ネタバレが入ってしまって申し訳ありません。
それでは、また。