万年筆

万年筆を巡る冒険 (百田尚樹氏のペリカン#400茶縞)

この一か月は小説を書いていた訳ですが、実は万年筆と原稿用紙を使っていました。

もちろん万年筆は持っていましたけど、ふとした作家のコメントに影響を受けて、とうとう「万年筆の沼」に足を踏み入れてしまいました。

そこで今回は万年筆歴と、足を踏み入れたきっかけを紹介したいと思います。

(まだ踏み入れただけです。ハマってはいません。大丈夫です、たぶん、おそらく… )

初めてはパイロット

今となっては思い出せないけれども、万年筆を使い始めたのは中学生の頃です。ともかく筆記量が多かったので、シャープペンシルではマメが出来て困りました。

それで文章を書くことが仕事の作家みたいに、万年筆を使うようになったらしいです。

パイロットというのは、もちろん飛行機のパイロットじゃありません。文房具メーカーのパイロットです。

もちろん学生には、作家のような万年筆を購入するような余裕はありません。手に入れたのは、パイロットの万年筆のセレモというお手軽モデルです。

現在では販売されていないけれども、2019年頃まで製品紹介ページのあった万年筆です。なかなか長寿命だったと言えそうです。

カートリッジ式というタイプで、インクが封入されたカートリッジが12本くらいセットになって販売されていました。つまりインクが空になったら、次のカートリッジを万年筆に装着して使うということです。

私はブルーブラックとブラックが好みで、ブルーとブラックの2本を持っていました。一本5,000円だったので、中学生のお小遣いでも何とかなりました。

ペン先のニブは14金で、太さはF(Fine:細文字)でした。ちなみに義父もブルーもセレモを持っており、太さはM(Middle:中字)です。私はノートにチマチマと書いていましたけど、義父は原稿用紙に執筆するのに使っていたようです。

ちなみに海外だと国産万年筆のFは、EF(Extra Fine:極細文字)に相当するとのことです。というか、漢字を使わない限り、EFの必要性は少なそうです。

(ここら辺の太さ談義は、おいおいと)

ともかく細軸で、学生には重宝しました。どういう訳か母親が現在も使っており、私は別な万年筆を調達する必要に迫られました。

ペリカンM400

で、会社員になっているので、給料を使って購入したのがペリカン・スーベレーンM405というモデルです。初めての海外製の万筆ということもあって、EFとFの2本を購入しました。

なんでペリカンを選択したのかというと、司法試験などで役立つという話を聞いたからです。別に司法試験とは関係ありませんけど、ともかく私は大量にメモを取るタイプです。だから司法試験向けの万年筆の方が、向いているような気がした訳です。

ちなみにボールペンでは、ペリカンは一本も持っていません。ボールペンの場合はモンブラン、アウロラを始めとして、ダンヒルやカルティエといったブランドまで揃えています。その時の調子や状況に応じて、ボールペンを使い分けている訳です。

しかしその中にペリカンは入っていません。なんとなく、自分でも変な拘りがあるような気がしないでもないです。

ちなみにM400でなくてM405なのは、クリップなどがシルバーだからです。良くあるゴールド色だと、M400となります。ちなみに現在の405モデルはペン先まで全てイリジウムメッキされているらしいですが、私の購入した時代は部分的なシルバー装飾に留まっていました。

購入したのは2000年過ぎ頃のような気がしますけど、この頃はペリカンも迷っていたのかもしれません。そういえば私の実は冒頭画像のようにブラックですけれども、茶縞が一時的に復活したのも2000年終わり頃でした。

ただし2000年頃といっても、現在と同じく固い感じのするニブです。こちらもパイロットと同じく14金でしたけれども、同じ14金なのにペン先の柔軟性が全く異なるのには驚きました。

構造的に剛性を持たせている訳ですけど、最初の頃はパイロットが薄い形状にしているのではないか等、いろいろと考えたものです。

ペリカン#400

さて一応ペリカンのM405を持っていましたけれども、実際に使うことはありませんでした。良くまあ紛失することもなく、ペン立てで生き延びて来たものです。私にしては珍しいことです。

このペン立てで眠っていたM405を引っ張り出して来たのは、作家の百田尚樹氏が万年筆のことを語ったことがキッカケです。なんでも彼は、茶縞の#400を所有しており、それで原稿を執筆しているとのことです。

この#400でピンと来た方がいれば、脱帽です。さぞ万年筆に詳しいのでしょう。私はボールペン収集の際に知った「万年筆評価の部屋」で、その存在を知りました。

なんでも#400という呼び方は、ペリカンでもビンテージ品に使われている呼び方なのだそうです。ペリカン茶縞の#400だと、1950年代後半から1960年代初めに製作された万年筆です。

つまり現在から70年近くも昔の「ビンテージ品」です。ちょうど初期生産で不具合が改善されて、万年筆として最も充実した軸が製作された時期です。ペン先も現在と異なり、柔らかいペン先が採用されていたとのことです。

これよりも後の時代になると、部品を節約するとか、社外に製造委託されるようになり、万年筆としての魅力が半減します。そういった贅沢品を、百田尚樹氏は使っているのだそうです。

ちなみに「茶縞」と説明しているのは、製造年代以外のことを指摘する気持ちがあったのかもしれません。ペリカンの400番台は、緑縞が主力です。1950年代は緑縞が圧倒的ということはありませんでしたけれども、現在では緑縞が代表的カラーとなっています。そして茶縞モデルは販売されていません。

ちょっとレアなアイテムという訳です。作家というとモンブランが有名ですけど、実はペリカンを使う人も多いです。そこら辺の拘りが、百田尚樹氏に「茶縞のペリカン#400」と言わせたのかもしれません。

まとめ

今回は、まずは第一弾として、今まで所有していた万年筆を紹介しました。

次回はペリカン#400の緑縞軸になります。つまり現時点では、私も… という訳です。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:よつばせい