雑記

[ショートストーリー] 自転車の嫁入り

ぱくたそ素材

拙宅のマンションでは駐輪場不足のため、ロードバイクを購入することが出来ません。それで折り畳み式のミニベロという部類の自転車を購入したのだけれども、やっぱりサイクリングロードでロードバイクに追い抜かれていくのは、楽しいことではないです。マンガやアニメで有名な弱虫ペダルでも、速さを追求した最強の自転車としてロードバイクが紹介されています。

しかし、「隣の芝生は青く見える」という諺もあります。本当にロードバイクが最強なのでしょうか。そう思って、”ネズミの嫁入り”のように、少し考えてみました。

=== 自転車の嫁入り ===

「ロードバイクさん、ロードバイクさん、あなたは本当に最強なのでしょうか?」と、ネズミは尋ねました。

ロードバイクは言いました。「いえいえ、とんでもない。私は最速でも最強でもありませんよ。買い物で荷物を山ほど積みたいならば、大きなカゴのママちゃりさんには敵いません。スパゲッティ屋のニューオリンズさんには駐輪場がないから、私は輪行袋に折り畳んで、お店のどこかに置かせて頂く必要があります。小径車ならば場所を取りませんけど、タイヤが大きいので場所を必要とします。最速といっても軽いだけです。平たんな土地や長い下り坂に限定されます。登り坂や、アップダウンの激しいところでは重量が全てです。弱虫ペダルでは最初にママちゃりとロードバイクが勝負していましたけど、あれは乗り手(主人公の小野田君)が凄かっただけです。それに後になって合宿の話になったら、重いホイール(&スポーク&タイヤ)で小野田君はピンチになっていたでしょう。信号の多いところだと最高速度を出すのも大変だし、私が最強で最速である場所は限定されているんですよ。それに安物は重いです。弱虫ペダルの登場人物たちは、ものすごく高価(20万円は当たり前)で軽いバイクに乗っているんです。そういうのを駐輪場に置くと、盗難の危険も大きいです」

そこでネズミはママチャリさんのところに、行きました。「ママチャリさん、荷物を山ほど積めて近所のスーパーに行けるママチャリさんが最強なのでしょうか? 盗難の心配もなさそうですし」

ママチャリさんは、うーむと言って答えました。「少し考えてみて下さい。私は電動アシスト車が登場するように、重いので坂道に弱いです。私が盗まれないのは、安上がりのフレームで重いからです。それに自家発電のライトが付いていたりするので、どうがんばっても安物のロードバイクさんにさえ敵いませんよ。ニューオリンズの店内など、もちろん入ることはできません。折り畳みミニベロ(小径車)さんは、荷物も積めるし、最近では電動アシストタイプも登場しています」

そこでネズミは折りたたみ自転車のところへ行きました。「折り畳みミニベロ(小径車)さん、あなたは最強なのでしょうか」

すると折り畳み自転車は慌てて返事しました。「とんでもない。私はロードバイクさんのように速く走ることは難しいです。仲間の中でも軽いヤツは速く走れますけど、安定性に欠けます。荷台を付けることもできますが、そうすると折り畳み能力が限定されます。それに自動車移動ならばともかく、電車で移動(輪行)しようとしたら、駅の構内では人間さんに担いで貰う必要があります。輪行は軽いロードバイクさんと変わりませんよ」

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さて「ネズミの嫁入り」のように話を進めると、このような感じでしょうか。結論としては全種類を所有して、必要に応じて使い分けるのが….. メンテナンスで手間がかって、沢山所有するのも面倒ですな。

と、いう次第で、高価といってもオートバイや自動車ほど高価でもないし、まずはどれかに試しに乗ってみて不満があったら、その時に考えるといういい加減さが一番なのかもしれないと思う次第です。それにロードバイクにしても、超軽量タイプを購入すれば、輪行袋に入れてマンションの室内に保管できますな。高級な折り畳み式に比べると、組み立てが面倒ですけれども。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:よつばせい