町田の八十八が南町田に移転することをオススメする理由

町田の八十八うなぎ屋

2016年にウナギ蒲焼の八十八が、東京都の町田へ出店しました。

めでたく「都内にも店舗を構えた」訳ですが、戦略的には南町田に移転することをおススメする次第です。

「このブログは食べ歩きの感想じゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんけど、まあ聞いて下さい。

横浜駅ウナギ抗争

ウナギは入手が困難になりつつあり、それに応じてウナギ、つまり鰻の蒲焼も値上がりしています。

値上げを押さえるためには海外で人件費や食料を押さえて育てることが必要で、スーパーの鰻はヒドイもんです。ゴムのような分厚い皮は、どんなに頑張っても、皮の厚さを減らすことは出来ません。

したがって数少ない良質な鰻は、鰻専門店で争奪戦を繰り広げることになります。

これに一石を投じたのが、八十八というウナギ蒲焼と和風ステーキのお店です。

もともと八十八は鰻専門店でしたが、2003年に閉店しました。それが2013年に入って、再度開店したのだそうです。

吉田店には板前さんの写真が掲載され、「閉店前と同じクオリティですよ」と、さりげなく宣伝しています。

どうも今度はマーケティングに長けた存在がバックに付いたようで、なかなか商売上手です。新生の八十八は、三河一色産などのブランド鰻でも、特に大きく成長したウナギを専門に扱っています。

なんでも「通常の1.5倍」だそうです。その分お値段も、1.5倍に応じた価格になっています。

なお現在はウナギのみだとポートフォリオが心配になるのか、ステーキも扱うようになっています。いずれも質に良いものを、料理人の腕で万全に仕上げて提供しています。

何かの記念日などに使って貰いたいというコンセプトなのでしょう。2020年6月にオープンした横浜駅ビルのNEWoman店を訪問しましたが、特大サイズのウナギを、板前さんの絶妙な技によって名古屋「しろむら」風に仕上げているのには感心させられました。

ちなみに横浜駅は昔から鰻専門店が存在し、横浜野田岩や宮川といった有名な名店も店舗を構えています。それに対してワンランク良いお値段で、勝負を仕掛けて来たという訳です。

宮川は横浜駅ビルから撤退して、横浜駅から数分のところに店舗を構えました。八十八としては勝負どころでしょう。ここで勢いに乗れれば、板前やスタッフも安定確保できるようになるし、先々の展開が楽になります。

横浜ウナギ抗争

さて鰻ビジネスで抗争しているのは、横浜駅だけではありません。みなとみらい地区だけでもありません。

新興住宅街の東急東横線・東急田園都市線沿いも住民増加につれ、鰻専門店のニーズが高まっています。そこに進出しているのが、ミシュラン一つ星を獲得した「しま村」です。

もともとは東急百貨店の「お持ち帰り用ウナギ蒲焼」でしたが、現在では日吉と青葉台に店舗を構えています。また東急百貨店日吉アベニュー店と、東急百貨店たまプラーザ店では、持ち帰りの「鰻の蒲焼」を販売しています。

横浜というと、これらの地区も含まれます。そこでは新勢力が台頭している訳です。そういえば大船も横浜市であり、そちらでは鎌倉市の鰻専門店との競争が展開されています。

このような状況なので、店舗を増やして勢力拡大八十八としては、今までのように横浜には拘っていられなくなって来ました。

そういう訳かどうか知りませんけど、八十八は2016年に町田へ出店しました。(いちおう東京都ですが、横浜線の町田駅ですね)

なんでも『「町田には、当店になじみのあるお客様がいる。駅周辺にはうなぎ店が少ないらしく、歓迎していただいた」と常務の海老塚明宏さん。』とのことです。

めでたく都内進出となった訳ですが、残念ながら軌道に乗っていないようです。昨今のご時世もあるでしょうけど、2020年9月2日時点では「金土日のみ営業」です。

これは横浜野田岩と逆で、不安です。休日は逆で賑わうからこそ、野田岩は本店を休んで他店支援するのです。八十八は休日だけのアルバイトスタッフがいるということでしょうか。

鰻専門店だから、学生アルバイトでは辛いでしょう。

それから町田双葉が高齢者を固定客として確保しているためかレディース向けに力を入れる戦略だったようですが、同じくレディース御前は休止中となっています。

現時点では「鰻はビタミンCだけ欠けているから」という意味不明の理由で、ハチミツ漬けレモンがデザートに加わっています。しかし肝心の鰻の仕上がりが今一つであり、ちょっとオペレーションが順調に回っていない印象を受けています。

町田の八十八の鰻重

と、いうか、あえて苦言を呈すると「冷めた鰻重」でした。ベシャベシャした感じの鰻に仕上がっており、夫婦ともに評価は高くないです。

(そういえば同じ新興店の「しま村」さんは、野田屋調理士紹介所から板前さん(2名)を派遣して頂いているとのこと。ミシュラン一つ星を獲得できるのも頷けます)

なお奥さんに言わせると、小骨の処理も今一つだったとのことです。12時営業開始で、弁当の受け取りが殺到していたことも原因かもしれません。

南町田の理由

さて町田の八十八さんですが、私としては南町田への移転をおススメしたいです。

まず「しま村」が新店舗を構えるとしたら、やはり連携しやすい東急田園都市線か東急東横線になるでしょう。南町田は有力候補の一つになりそうです。

もし南町田に「しま村」が進出すると、町田近辺の客(特にレディース層)は「しま村」に流れるでしょう。幹線道路沿いにあるので、駅前の混雑した町田よりも南町田の方が利便性良いのです。

なお私が訪問した時に見かけたお客さんたちは、レディースばかりでした。レディース層をメインターゲットとして狙うというのは悪くないと思います。

それから店舗次第ですが、十分なスペースを確保できるかもしれません。町田の八十八は、個室スペースも狭いし、スタッフの作業場所も十分でないように見受けられました。

昨今のご時世を考えると、現店舗では十分な機材を確保できないでしょう。それに炭火の問題も無視できないような気がします。弁当は、南町田からならば一括配送できるところも多そうです。

なお南町田は東急田園都市線のマダムたちがお越しになることが多いです。したがって新規顧客を見込めます。彼女たちは市営地下鉄や横浜線で横浜へも赴くので、横浜NEWoman店と連携する作戦も考えられます。

ちょっと信じられないかもしれませんけど、八十八ポイントなるポイント還元制度を設けても良いかもしれません。それで横浜方面にお出かけした時には、八十八をご利用いただくという算段です。

それから南町田は東名高速横浜町田インターから近いです。だから新興の鰻専門店として、遠方から自動車でやって来る顧客も獲得できます。これは横浜エリアだと難しいことです。

近隣の競合というと「うなよし」ですが、これは各駅停車の「つくし野」駅です。急行の停車する南町田には遠く及びません。

と、いう次第で、現在は空白状態の南町田は魅力的です。私だったら、今の大変な状況だからこそ、他社に先がけて先手を打つことでしょう。

そして八十八のイメージには、やっぱり南町田の方が似合います。町田だと「普通の鰻屋」から脱するのは難しいかと思います。

まとめ

なんか鰻の食べ歩きから逸脱してしまいましたが、ぜひ町田の八十八さんの奮起を期待しています。

そのためにも南町田への移転を強くオススメする次第です。オシャレな南町田で、オシャレな八十八でお食事するのは楽しいことでしょう。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

——————————-
記事作成:よつばせい