デパ地下ウナギの謎は全て解けた、青葉台「しま村」訪問記
今回は郵便局に用事があり、ついでに青葉台「しま村」に立ち寄って来ました。
おかげでデパ地下ウナギが今ひとつな理由と、しま村の持ち帰りウナギが周到に計算されたものであることが判明しました。
もはや完全犯罪というか、芸術の領域にあるような気がする程です。
金田一少年ではありませんが、「じっちゃんの名において謎は全て解けた」というところです。
今回は「家うなライフ」を充実させるため、青葉台「しま村」の鰻重(特上!)をレポートさせて頂くことにします。
まず訪問記
まずは現場検証というか、訪問記を先に済ませてしまいましょう。
郵便局に行って用事を済ませた私は、10時43分に駅の改札前に到着しました。
ちょうど10時46分発の電車があり、青葉台には10時57分に到着します。11時回転… ではなくて開店なのでベストタイミングです。
しかし友人たちも私も忙しいですが、ホントに困ったご時世です。青葉台駅のホームに到着したら、広告が半分くらい消えていました。
ホントはここで奥さんから聞いていた「しま村の看板」を紹介したいところです。しかし2週間くらい前の目撃証言なのに、なぜか探せど見つけられません。(もしかしたら、しま村も広告を取りやめてしまったのかもしれません)
と、ここで変な感慨に浸ってしまったのが、失敗の始まりでした。
駅から徒歩数分とはいえ、灼熱の太陽の下を歩きます。しかし幻の蜃気楼はおろか、看板らしきものさえ見えないのです。
「昨晩電話をして予約したから、閉店は絶対にありえない。ということは… 」
そうです、私はいつものように道を間違えていたのです。よくよく確認したら、線路の反対側でした。考え事をしながら歩いていた様子から一転して、少しでも早く目的地に到着すべく走り出します。
と、いうことで11時5分に入店した訳ですが、それでも冷水でなくてお茶を頼んだのも私らしかったかもしれません。
なお残念ながら「しろ村」では注文後に鰻を焼き始めるだそうです。無情にも「今から35分ほどお待ち下さい」と宣告され、大人しく頷くしかありませんでした。
しかしやせても枯れてもいない(むしろ肥え太っている)し、名探偵金田一耕助の孫でもありません。私の祖父はコチ亀の両津巡査部長と同じく、下町の巡査部長でした。表彰状があったので、間違いないです。
… すいません、話が逸れました。
ともかく「しま村」東急百貨店たまプラーザ地下の持ち帰りウナギは、必要最低限の火しか通していませんでした。そして「特上」を予約してトップバッターとして入店した私でさえ、35分は待つ訳です。
つまり昨日訪問した八十八(つまり2日連続の鰻重)では25分ということから、「蒸し」に時間を必要としていることが分かります。青葉台「しま村」も、野田岩と同じく関東風ウナギだという訳です。
この予想は誤っておらず、35分後に実証されました。
目を見張るほど巨大な重箱には、東急百貨店たまプラーザで目撃したものの購入できなかった「最大サイズのウナギ」が入っていたのでした。
(それでもご覧の通りコメが見えるわけで、いかに重箱が大きいか分かるでしょうか。ちなみに隣の席に座った高齢者の方々、みなさん「ご飯少なめ」と注文していました)
ちなみに「しま村」は相当芝居がかっていて、鰻重と肝吸いとお新香は出前箱に収納された状況で手渡されます。
ちょっと画像では分かりにくいですが、ウナギの「う」という文字が彫られています。
それを自分で開けてから、重箱などをテーブルの上に並べて行く訳です。あまり意味のある演出には思えませんけど、これで「蒸し時間」を1分近くは稼げます。
実際に箸をつけてみると、鰻がアツアツの状態であることが分かります。一方でご飯は冷めている訳ではありませんが、「あったかい」という程度になっています。温度差がハッキリと分かる訳で、蒸しろ… いや、むしろ温度差を持たせる方が興味深かったです。
(ちなみに我が家ではご飯の熱でウナギを蒸すので、ご飯の方が熱くなっています)
とりあえず鰻重は、普通に美味しかったです。タレは私が食べているウナギの中では最も甘口で、子供やお年寄りにも幅広く好まれそうです。
そういえばウナギ通の人の中には、ウナギとご飯を別々に食べる人もいるそうです。我が家のお嬢さんも「別々に食べる通な人」派ですが、しろ村では補充用のタレも渡されます。
育ち盛りの子供は大盛り&タレご飯にすれば良い訳で、ここら辺は大変興味深かったです。
それから興味深いといえば、「しま村」は「串」が特徴です。
今回は冒頭画像のように3本しか注文できませんでしたが、「ヒレ串」「肝焼き」「兜焼き」を楽しめます。
それから鰻重だけでも、茶碗蒸しが付いて来ます。かなり濃厚な茶碗蒸しで、思わず口直しにお茶を必要とした程です。
持ち帰りウナギの効果
さて今回の「しろ村」青葉台店の訪問により、東急百貨店たまプラーザ店で購入した持ち帰りウナギは「重箱に入れた熱々のご飯で蒸してから食べることがベスト」ということが分かりました。
お店で食べても、やっぱりフカフカでした。オーブントースターで焼いてパリッとさせようとする調理方法は、関東風ウナギの魅力を十分に引き出せません。
そして野田岩と違って脂が殆ど包装紙に付かない焼き方をしていたのは、「おうちで蒸される」ことを想定しているのだと推察されます。
さすがはデパ地下の持ち帰りウナギから始まり、日吉や青葉台にまで出店するようになっただけのことはあります。
なお日吉、青葉台、たまプラーザという場所選定も見事です。なぜならそこら辺の方々は、週末は出歩かない方も多いです。「しま村」の優位性を活かせます。
またタレが青葉台のお店で食べたのと、たまプラーザで渡されたもので微妙に違っているような気もします。もっと食べ比べしないとわかりませんけど、たまプラーザの持ち帰りウナギの方が「甘さ控え目」のような気がします。
ただし逆に、残念ながら店舗は「今ひとつ」かもしれません。さすがにテーブルは広々としていますけど、ここでPCやシステム手帳で作業するのは恥ずかしいです。スマホであっても同様です。
で、35分のために茶碗蒸しを用意したり、エラ焼きや兜焼きを用意したりする訳です。
地元では人気店となっているようで8/24(平日)の12時で満員御礼状態でしたが、「鰻重のお新香を先に持って来て」とか、他のお客の皆さんも待つのに苦労なさっていました。
これが都内の老舗だと45分待ちとか1時間待ちもザラにある訳ですが、せめてリピーターには優しくしてくれても良いような気もします。
なお上記の画像通りで、感染対策は皆無に近かったです。入店時にアルコール消毒を促された程度です。爪楊枝も、しっかりとおかれていました。
(来客を平均すると、それだけ高齢者が多いのかもしれません)
あと個人的に困ったのは、このデザートです。
私は鰻重を食べに来た訳であって、別にデザートは必要ないです。そして甘めのタレの鰻重に、餡子のデザートの組み合わせです。
ウナギを食べるのはモチロンですけど、会話を楽しむために来店する方々も多いのでしょうね。それからさすがは高級住宅街だけあって、日常的に食べに来たような方も多かったです。
そういう方々には、茶碗蒸しやデザートもあった方が良いのでしょう。そうそう、表通りにあるので高級感は出しにくいですが、店構えは悪くなかったです。
今回の私は郵便局のついでに立ち寄った訳ですが、たしかに何かのついでに立ち寄る方も多そうです。ここは「自宅近くの外食する場所」という位置付けでしょうか。
まとめ
何はともあれ、特上の鰻重は美味しかったです。
それから先ほどはデザートでブツクサ言いましたが、それは私がドケチだからに過ぎません。必要なければ、必要ないと言えば良いのです。(ああ、貧乏性)
そして他店と違って脂が殆ど流れ出ていないデパ地下ウナギなので、家ウナでも「一流店と同じ味を自宅で」と再現できるのも良いです。画期的です。
(「一人当たり数千円の晩飯ってどうなのよ?」という声には聞こえないフリ)
そうそう、私として大誤算だったのは、「しま村」を法事で使うお店と想定して訪問したことです。
義父の墓が近くにあるので試したという大義もあるのですが、奥さんに「お義姉さんはウナギがダメなの」とクリティカル・ヒットされてしまいました。
ま、気を取り直せば、義母は鰻が大好きなので、義姉が参加しない時には「しま村」青葉台店を使える訳です。義母が慣れ親しんだ関東風ですし、良いポイント稼ぎになるでしょう。
それに義母と来れば、「おごって貰える」というメリットもありますし。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:よつばせい