野田岩のうなぎが好みでないと言いながら真空パックを完食
野田岩のうなぎは江戸前の関東風です。そして尾花などと異なり、注文前に白焼きに加工済みなのが特徴です。
これはうなぎの脂などが落ちてしまうという欠点がある反面、お店で注文して10分もすれば焼き上がります。
ただし上記のような焼き方をしている上に、蒲焼に塗られたタレは控えめとなっています。そのタレですが、「やや辛口」でアッサリしています。
つまり野田岩のうなぎというのは、臭みが無くなって魚的な味わいを楽しめることが特徴となります。
この野田岩うなぎをそのまま真空パックにした蒲焼が、近所のスーパーでも販売されています。
今回は奥さんと子供が真空パックの野田岩うなぎを食べた感想です。
要約すれば、「好みじゃないけど食べやすい。白身魚みたいだけれども、まあ十分に良いか」とのことです。
五代目の金本兼次郎氏が聞いたら苦笑いされそうな顛末記ですが、これも参考情報として紹介させて頂くことにします。
賞味期限ギリギリ
さて前回はポイントが貯まっていて格安購入できましたが、今回は17ポイント(17円分)しかありませんでした。
それでも野田岩の真空パックうなぎの蒲焼を購入できたのは、全て私の努力の賜物です。
なにしろ賞味期限が近くなると、スーパーでは50%引きで販売されるようになります。しかし50%引きされた蒲焼を狙う者も多く、競争は熾烈を極めます。
「熾烈」というのはウソじゃありません。私に指摘された奥さんもスーパーで様子見するようになり、「本当に野田岩の真空パックをチェックしている人が多いのね」と驚いています。
作り方を読み込んでいるお爺さんもいらっしゃったとのことです。
しかし10パーセント引き程度では、私たち庶民には手が出ません。だから半額セール品を狙い、熾烈なバトルが展開される訳です。
今回の賞味期限は2020年9月13日でした。
それで私は2020年9月12日には、朝昼晩とスーパーを訪れてチェックしていました。
そしてちょうど晩チェックの7時12分頃、賞味期限の近い商品に割引シールを貼る定員を目撃するに至りました。
おかげで数分後には、無事に半額値引きシールの貼られた野田岩うなぎを無事ゲットしたのでした。
完璧な調理
さて前回はタジン鍋を使いましたが、タレ飯の入った鍋を直火で加熱したところ、タレが焦げて消滅してしまいました。
そこで今回はその反省を踏まえて、完全に野田岩の説明通りに鰻重作成を実行します。
- 沸騰したお湯に真空パック投入:7分
- 鰻重にした状態で電子レンジ:1分15秒(500W)
今回は完璧です。ご飯もアツアツで、タレも温めてから投入しました。オーブンにかけてないので、しっとりした感じです。しかしこれは止むを得ないでしょう。
これが真空パックの限界です。食べログでも横浜高島屋の野田岩うなぎが「水分がなくなってパサパサしていた」とレビューしていた人も存在します。下手にレトルトパックから出したための水分を取り除いたら、パサパサうなぎの蒲焼となってしまいます。
(ここら辺は、別に賞味期限当日だからという理由は無さそうです)
消えたうなぎ
さていよいよ試食です。
そもそも久しぶりに野田岩うなぎの真空パックを購入したのは、その実力を確認したかったからです。
まずは記念撮影を…
いや、私のハシではありません。
私が鰻重を作ったことをかぎつけて、さっそくマイ・ハシで蒲焼を突ついている者たちがいます。
なんということでしょう。手間を惜しまず作った鰻重が、あっというまに親子ネズミに食い荒らされていきます。
それだけじゃありません。子ネズミは「このうなぎの蒲焼、骨がある」と、小骨を取り出しました。
そういや私の友人もウナギの小骨が苦手だと、何かの機会につぶやいていました。
しかしウナギから完全に骨を取り除くのは困難です。説明書にも「小骨がありますので注意してお召し上がりください」と記載されています。
「君たち、小骨で文句言うのだったら、うなぎ食わなけりゃ良いじゃないか」と、思わず言いたくなります。
それにしても、二人のハシは止まりません。
子ネズミは、「魚としてはおいしいけど、ウナギじゃないなあ」などと、エラそうなことを言いながらハシを止めません。
「タレは醤油の味が強いけど、なんとか合格ね」と言ったのは、甘口タレが好きな奥さんです。
「だったら野田岩の四代目のように、味醂(みりん)を足せば良いだろ!」と言いたくなります。(心の声)
そして最後に二人は、「藤沢みのるみたいに、ふっくらしていないわね。あとはお父さんがどうぞ」と言って去って行きました。
後に残ったのは、次の画像のようになった鰻重です。
「.....」
黙々と無言で重箱を空にし、その後でホカホカ炊き立てご飯を足して、私がフリカケご飯(カルシウム入り)を頂いたことは言うまでもありません。
ちなみに暴食ネズミたちの去った後の鰻重は殆ど消滅していましたが、タレご飯は少しだけ残っていました。
たしかに奥さんが言う通りで、川口水産のアッサリした甘口よりも醤油が強く出ています。和三盆の糖を使った「しろむら」とは、最初から比べ物になりません。
子供がブツブツ言いながら食べたのも、「なるほど」と頷けます。
友人が食べたら、「もっと甘口が良い」と言われそうな感じです。たしかに私にも、若干だけれども醤油の味が強めに出ているような気がします。
ただし奥さんに言わせると、川口水産のタレは「万人受けする平凡な味」とのことです。私が舐めてみても、醤油と味醂(みりん)を混ぜただけのような気がします。
野田岩の方がウナギのエキスが出ているような気がしましたが、たぶん本当にエキスが出ているのでしょう。
なぜなら味だけでなく、川口水産のタレの賞味期限は2021年8月4日です。我が家にある醤油のビンでも2021年4月5日なので、醤油並みに長持ちすると言えるかもしれません。
ともかく、あれほど苦労して奪取した真空パックの野田岩うなぎの蒲焼は、前回以上に食べることが出来ませんでした。
(前回は奥さんと山分け)
そしてスーパーに陳列された真空パックの野田岩うなぎの次回賞味期限は2020年9月27日です。しかし今回は私が一つ購入済みであり、半額セールになる前に売り切れてしまいそうです。
もうこうなったら、横浜野田岩の本店へ赴くしかないのかもしれません。
(「ビロードのパンツをはいた小さなキリストが歩いている」と有名ソムリエに評価された、ロマネ・コンティと一緒に)
まとめ
以上のような次第であり、野田岩ウナギの蒲焼は、奥さんと子供から文句ばかり出る状況でした。
しかしこれだけ食べられているという点から考えると、アッサリとしているから食べやすかったのだろうと推察されます。
また奥さんに言わせると、「年配の方々が好みそう」とのことです。
ちなみに横浜高島屋店の野田岩と、本当に良く似ています。アッサリとして魚の味が出ており、タレも基本的に控えめです。
(横浜高島屋地下街の「お持ち帰りうなぎ」は、普通の関東風に近かった気がします… 一度しか食べたことありませんけど)
あと奥さんがスーパーで真空パックを観察するようになりましたけど、本当に多くの人がチェックしているとのことです。
五代目野田岩の金本兼次郎氏によると、一時期は5億円を売り上げたとのことです。
私としても、かなり気に入っています… 特に半額セールで購入できた時は。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:遊川学