町田の双葉でも鰻の持ち帰りサービスを実施中
「禍福は糾える縄の如し」と言います。
子供が新学期ということで、町田のメガネ屋さんでメガネクリーナーや鼻パッドを調達することを指示されました。
これは千載一遇のチャンスということで、かねてから憧れていた双葉を訪問しました。
熱中症で倒れる人が多くてニュースにもなっていることでもあるし、鰻を食べるのは順当な判断だと言えるでしょう。
やっぱり焼きたての鰻は格別ですね。一気にTOEIC結果でボロボロだった心が、鰻のおかげで見事復活しました!
それから双葉では、最近始まった持ち帰りサービスも結構人気でした。その様子もレポートさせていただくことにします。
双葉とは
はっきり言って、鰻好きの間では「謎の鰻屋」です。
あの伝説Webサイト「うなぎ大好き」で紹介されていないのです。一般的な投稿サイトには紹介記事ありますが、そういうところは参考にならない記事が多いです。
頼りになる友人たちも、とりあえず近所とか、ロマンスカーの乗り換えで使用する程度の駅なのでトライしたことがありません。(いや、一人だけ訪問した者がいました)
お店のWebサイトも存在するものの、常時SSL化されていません。Facebookが中心だし、昨今流行のDX(デジタルトランスフォーメーション)に乗り遅れています。
こんな感じだから、横浜を縄張りとする八十八が出店して来るのでしょう。相模原町田経済新聞の2016年5月11日の開店紹介記事では、八十八の常務に「町田には、当店になじみのあるお客様がいる。駅周辺にはうなぎ店が少ないらしく、歓迎していただいた」とコメントされてしまいました。
しかし天然の「しゃこうなぎ」や「共水うなぎ」を扱っているとのことで、職人のこだわりに満ちています。実際、「その道40年」とのことです。
(そもそもWebサイトで鰻の蒲焼でなくて、生きている鰻をバンバン紹介しています。明らかに経営者の趣味が前面に出ていて、お客様サービス第一の料理店的な観点からズレていますね)
なになに、超達人の店?
しかし鰻好きからすると、そういうこだわりは大歓迎です。(うまさに繋がるならば)
おまけに今回は家族を同伴しないので、自分一人で予算を消化して構いません。
器に重箱でなくて輪島塗の丼を使っていることだって気になりません。「あんなものただの飾りです。エラいさんには、分からんのですよ」です。
そこで今まで何度も行こうと思っては時間不足で断念していた双葉ですが、今回は自分自身が夏季休暇中ということもあって訪問してみることにしました。
人気のあるお店
興味深いことに双葉は鰻専門店なのに、小田急線町田駅の駅ビルである小田急百貨店の9階にあります。ビジネスマンが休憩を取る12時前に行けば大丈夫な店だろうと思っていたら、大甘でした。
11時開店ということで11時20過ぎに到着したら、なんと「すいません、満席ですー」と宣言されました。横浜高島屋の野田岩も人気ですが、町田双葉も相当なものです。一人で来て良かったです。
(もちろん本来の用事は放置して、真っ先に双葉に駆けつけたことは言うまでもありません)
幸い訪問した2020年8月20日は平日ということもあって、すぐに店内へ案内されました。密を避けるために座席配置が配慮されており、安心して鰻に専念することができます。
ちなみに山椒は、何やら瓢箪のような形をしています。珍しいです。どっちの方向であるかは微妙ですが、ともかく何らかの拘りはありそうです。
店内には大きな棚があり、掲示板の噂通りにボトルがキープされていました。日本酒が多いですが、「双葉」という銘柄も相当本数あります。あちこちに名前の札がかかっているので、得意顧客が多いということでしょう。
ちょっと鰻専門店らしく無いですね。しかしこの程度で驚いてはいけません。鰻好きにとって驚くことは、次の瞬間にやって来ました。
名の通った店だと鰻を焼くのに長く待たされることは当たり前です。そのため、あらかじめ訪問時間と注文内容を連絡しておくのが鰻好きであるものの嗜み(マナー)です。
ところが今回の私は、予約なし11時27分に着席したら数分で鰻が登場しました。あまりの驚きに時計で時間を確認するのを忘れてしまった程です。
そして肝心の鰻ですが、これは安心したことに見た目もお味も絶品でした。双葉が自慢するだけあって、油がのって柔くて、おまに肉厚もあります。焼きたてだし、これほどの逸品が登場するとは予想していませんでした。
つたない画像ですが、そのスゴさが少しでもお分かり頂けると幸いです。予算を全て鰻飯に投入し、「重ね丼」を注文して良かったです。
タレは軽く塗った感じで鰻本来の味が楽しめます。それを辛口のタレのかかったご飯が引き立てるのです。タレをかき混ぜない関西風に近いのですが、それが鰻とタレとご飯の組み合わせにより、絶妙なハーモニーとなっています。
これだから鰻好きは止められません。
なお私にとって幸いなことに、小骨の取り除き方が少し甘かったです。
「なんで小骨がある方が幸いなの?」と不思議に思われるでしょう。これは奥さんやお嬢さんは小骨が気になるためです。だから「みんなで鰻を食べよう!」とはならずに、私だけが双葉の鰻を存分に楽しめる訳です。
(いやいや気の毒ですな、涙が出て来そうです。はい)
そういえば開店直後の店内は高齢者が多かったです。ただし私が鰻を食べ終わった11時42分(注文は11時27分)の時点では、会社に入社したばかりのOLさんが店内へ入ろうとしていました。
ちなみにご飯はどういう訳か、固めなのにボロボロとこぼれました。これは双葉を訪れた友人も不思議がっていましたが、米の性質でしょうか。(「当店のお米は国産米を使用しています」という当たりが、逆に妙に不安感を煽りますけど)
とりあえず「来た・見た・食べた」で鰻タイムは15分で終了し、さっそく本来の目的地であるメガネ屋を目指したのでした。
(何でも寿司や鰻は、短時間で気軽に済ませる必要のある江戸ッ子向けに開発されたとか、されないとか。考えてみればおかずとご飯が一緒なのだから、確かに短時間で済みますね)
鰻の持ち帰り
さて肝心の「鰻の持ち帰り」です。
これは2020年7月20日から開始したとのことですが、未だに弁当対応には慣れていないようです。
買い物に来て11時開店と同時に「鰻の持ち帰り」を注文し、12時頃-13時頃に受け取りに来る人が数名いました。ちょうど座席が厨房に近いところだったおかげで、相当な人気であることが良く分かりました。
なお残念ながら、電話注文&受け取り時支払いでオッケーであるかは確認できませんでした。ただしボトルキープしているところから見ると、名前を覚えられている程の得意客であれば大丈夫のように見えます。
ちなみに「夕方の17時に受け取りに来ます」といったことも可能だそうです。しま村や野田岩のように、弁当は作り置きしないとのことです。スタッフが苦労しているのも、「少しでも美味しい状態の鰻を食べて頂く」と努力しているからです。
私が数分で鰻の重ね丼を堪能できたのも、本来は弁当用に焼いていた鰻が予定変更となった気がしないでもないです。
なお冒頭画像の通りで、メニューはシンプルです。ご飯が付いても、鰻オンリーでも価格は変わりません。あと「笹むし」は繁忙期のせいか、お弁当コーナーではプレートが裏返っていました。
基本的に店内優先なので、急に思いついて双葉を訪問しても、焼き上がるまで待たされることでしょう。ただしお昼時間は予め売れると分かっている分は、先行して焼いているようです。
つまり運が良ければ、弁当でもそんなに待たされることは無い… かもしれません。
(今までは川口水産で大満足だったけど、今後は双葉に立ち寄る機会が増える… かも)
まとめ
とうとう鰻の専門店も、弁当販売に本腰を入れるようになって来ました。
それも「いろいろな弁当の中から仕方なく鰻を選ぶ」ではなくて、「お店と同じレベルの鰻を食べて頂く」という職人的なアプローチです。
お店にとっては負担が増えて大変だと思いますが、客の側からすると大変に嬉しいことです。
唯一の問題というと、「おうちで本格的な鰻」ということだと、やはり部屋が片付いていた方が美味しくて食べることが出来ることです。
鰻屋さんの鰻が美味しいのは、そういう心配事とは切り離された別世界で食事できることにもありますので。
(なんか、家族が頭を抱えてるようです)
そういえば我が家は現在のところ大型ディスプレイをリビングに設置しているので、鰻を焼いている動画を流しながら食べるのも一興かもしれません。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:よつばせい