さらばスシローの大トロ握り寿司の期間限定サービス
スシローの今回の大トロ握り寿司の期間限定100円サービスは、2021年1月24日で終了です。
相変わらず不要不急の外出を自粛する生活も味気ないので、がってん寿司の中トロみなみまぐろを試してみました。
おかげでまぐろに関しては素人でしたけど、少し知識を蓄えることが出来ました。
これもせっかくなので、小説風に語らせて頂くことにします。
(菊地秀行のエイリアンシリーズ風というか、マンガのスプリガン風に)
まぐろの中トロ丼
スシローの大トロ握り寿司の期間限定サービス最終日の2021年1月24日は、朝から雨模様の天気だった。
雨というと暗い雰囲気になってしまいそうだが、少なくとも今回はそのようなことはなかった。何しろ俺好みの天気予報のお姉さんは、なんと雪になると解説していた。
おまけにというか、久しぶりの雨だ。恵みの雨だとも言える。
そんな訳で珍しくデスクトップ型パソコンに向かい、久しぶりに黙々とブログ記事を作成した。どこぞの誰かのように未来型コンピュータではないが、AppleのMagic Keyboardを接続している。わざわざBluetoothアダプタまで調達して特別仕様にしただけあって、実に快適だ。
俺のようなSSSクラスのブロガーになると、寝食を忘れるほど記事作成に没頭することが出来る。そのため気付いた時には、夕方の17時を過ぎていた。
いや、気付いたというのは正確ではない。何しろ家族に話しかけられて、ようやく我に返ったというところなのだから。
さて今まで向こうから話しかけられる時には、いつも事件が待ち受けていた。そのたびに、自らの頭脳と体力を頼りに切り抜けてきた。
そういった時にこそ、自分は生きているということを実感できる。我ながら能天気というか、始末に負えない性格だ。さて今回は、いったい何が待ち受けているだろうか。
「あの、がってん寿司に晩御飯を買いに行って欲しいんだけど」
しばらくの間、自分が何を言われたのかを必死に認識しようとする。数学で誰もが解けないと諦めた難問を相談された訳でも、リゾートマンションを購入して欲しいと頼まれた訳でも、さらには実家に帰らせて欲しいと言われた訳でもない。
これは… これこそが、いわゆる日本の伝統芸と呼ばれる「おつかい」というものだろうか。
「買って来て欲しいものは、このメモの通り。あなご二貫(二皿)、エビも二貫(二皿)、…」
もはや誤解の余地はない。「おつかい」で間違いない。俺の記憶力を踏まえて、買い物メモまで作成しているとは、さすがは万年筆野郎だった義父の娘である。用意周到だ。
しかし俺にとっても、実は願ってもないことだった。中トロ丼を試すには絶好の機会なのである。
実は昨日、”教授” からマグロの格安調達の技を伝授されていた。彼が好きなのは、”みなみまぐろ” なのだそうだ。冷凍された商品を購入し、必要に応じて、必要な量だけを解凍する。なるほど、たしかに格安で済ませることが出来そうだ。
ただし俺の場合は、台所を使うライセンスを手に入れることが出来ていない。だからスーパーで販売されている商品を購入するか、大トロ握り寿司を丼物にするような工夫が必要となる。
その丼物を作るのに、みなみまぐろを扱っている “がってん寿司” は理想的なターゲットだ。もちろん家族の「お・ね・が・い」を断ることなど出来ないし、俺は二つ返事で任務を引き受けることにした。
みなみまぐろの中トロ丼
中トロ丼を作るのは、さして難事ではなかった。
がってん寿司は、通い慣れたところだ。スシローと違って、単品注文を出来るようなアプリは存在しない。
その代わりに小回りが利く。単純に店舗を訪問し、持ち帰り者ように座席で注文するだけで十分だった。冒頭画像のように、今回は4貫(8切れ)を注文した。
「いつもありがとうございますー」と、帰り際に挨拶される。
わはははは、我ながら良い気分だ。何しろ我が家は、ガッテン寿司のお得意様である。平均すると、二週間に一回くらいの頻度でお世話になっている。
顔はバッチリ記憶されている。馴染みの客であるとも言える。もしかしたら、ツケも出来るかもしれない。
おまけにスシローの期間限定サービスで培ったノウハウがある。握りのシャリも使い、あっという間に中トロ丼は完成した。さっそく家族にも、おすそ分けすることにした。
しかし順調なのは、ここまでだった。
「なにこれ? 寿司飯の酸っぱい匂いが気持ち悪い!」
うーむ、丼物に寿司飯を使うことは一般的ではないらしい。それに電子レンジでシャリを温めたので、酢の匂いが強まっている。おまけに家族は、警察犬並みに鋭い嗅覚をお持ちなのである。
一方で俺は遠慮なく寿司飯を使ったように、鼻が敏感ではない。おまけに鉄製ワイヤーのような神経で出来上がっている。酢の匂いがすることは分かるけれども、全く気にならないかった。
おまけに家族の次の一言が、「うーん、中トロの味も今一つ … 」である。その割に二切れも、お食べになる。ああ、貴重な税抜き400円(一貫:二切れ)が消えていく…
とはいえ、「裸の王様」というような無礼な表現を遠慮なくされるよう場合、大抵は真実なのである。みなみまぐろで作った中トロ丼、せっかく二切れで400円(税抜き)なのに、全くインパクトというものがない。
いや、逆に400円クラスのものだから、そんなものだと考えるのが妥当のような気もする。おまけに “がってん” 寿司は、近所の港で取れた魚が自慢である。この店だと、小田原港で朝取りされた魚が多い。そういう店に、まぐろを求めるのは酷な話なのかもしれない。
とりあえず俺自身も全く満足できなかったものの、とりあえずドンブリは空になった。
マグロの研究
さて負けは負けとして潔く認めるものの、このまま引き下がってはSSSクラスのブロガーとは言えない。もっとも良い方法はないものかと、過去の文献を漁ってみることにした。
そしてようやく、自分の犯した致命的なミスが分かって来た。
まず “教授” は相当な趣味人であるらしい。世間的には、ホンマグロ(クロマグロ)が最も評価が高い。特にトロ、それも大トロに関しては、ホンマグロが一番らしい。
みなみまぐろ(インドマグロ)も悪くはないけれども、今までの画像のように中トロ部分でさえ、色が変わるように食感も変わる。みなみまぐろの良いところは、生のみなみまぐろを日本海近辺で漁獲し、生で食べることが出来るという点にある。
しかし… 日本海近海で取れるのは、夏が中心になるそうだ。世界的にも、今はみなみまぐろのシーズンではないとのことだ。スーパーでは滅多に扱っていない高級魚なので、がってん寿司ではみなみまぐろを扱っているものの、どうして冬シーズンは「今一つのネタ」になってしまうということらしい。
せっかく家族が中トロ丼に興味を持っていたので試してみたけれども、基本的に戦略を誤っていたらしい。
ちなみにスシローは、マグロを最も得意としているらしい。特に大トロに関しては、わざわざ地中海で取れたホンマグロを使っているとのことだ。
ひと昔前ならば冷凍マグロには残念なものが多かったけれども、現在は解凍技術の進歩によって美味しく食べることができる。だから “教授” の見立て通り、みなみまぐろの冷凍商品には掘り出し物が多い。
ちなみに地中海のホンマグロのシーズンは冬、つまり今こそが「最もおいしい時期」なのだそうだ。それを進歩した冷凍/解凍技術を駆使して、日本の回転寿司で提供する。さすがマグロに拘るスシローといったところだ。
道理で俺のようなものでさえ、スシローの大トロ握り寿司にハマる訳だ。しかしその期間限定サービスも本日1月24日で ……
いや、待て。1/24はまだ終わっていない。念ためにアプリを確認すると、まだ期間限定の100円大トロ握り寿司は販売中である。今注文をかければ … おお、21時になってしまうものの、ゲットすることは可能だ。
慌ててベランダに出て、天気をチェックする。先ほどの「おつかい」では小雨がパラついていたけれども、さらに調子は良くなっている。
これならば夜中でも、20インチ無段階変速の子供用自転車でスシローへ赴くことは可能だろう。俺は数秒だけ逡巡した後に、注文確定ボタンをクリックした。
最後の大トロ丼
さて再びブログ記事の作成に没頭し、気付いた時には21時48分になっていた。閉店時間が21時なので、受け取り時間21時というのは殆ど余裕がない。
俺は慌てて、自宅を飛び出そう… として、あわてて引き返して来た。
雨が降っている。それも豪雨とは言わないものの、かなり本格的に降っている。傘なしでは1分と持ち堪えることは無理そうだ。
しかし… すでに出来上がりつつある大トロ握り寿司が、俺を待っている。キャンセルなど論外だ。そもそも数分前になってのキャンセルは無理だし、するつもりも毛頭ない。
風呂に入っている家族に外出を告げる時間も惜しんで、自宅を飛び出る。そして連日のスシロー訪問で相棒と呼べる存在となった、20インチ無段階変速の子供用自転車にまたがった。
何しろ慣れているといっても、雨天時はどうしてもタイヤのスリップに気をつける必要がある。おまけに猫と張り合える原始人並みに夜目が効くといっても、雨で視界は悪くなっている。おまけに雨よけに、傘までさしている。
しかし愚痴をいっても始まらない。家族に次いで大切な大トロ丼が、俺のことを待っている。めっきりと車も人通りも減った夜道を、本能に任せて走る。
幸い、車や人だけでなく、先日ようなハトもいない。その代わりに猫がいるけれども、遥か先の道を横切っている程度だ。全く問題はない。
連日の自宅内ストレッチングで痛む筋肉を無理やり動かしながら、目的を目指す。1/23の雨天時よりもスピードは出ていないハズだが、やたらと太ももの筋肉が痛む。
ポジティブに考えると、良い運動になっているという訳だ。汗をかくほど発熱しているし、たしかにカロリーは消費しているらしい。
時折おとずれる下り坂で足を休めては、再びペダルを全力回転させる。そのおかげで、スシローに到着したの21時3分だった。
しかしさすがに今回は、スシローを訪問するだけで一仕事だった。スタッフだけになった店内に入っても、ぜえぜえと息が止まらない。
心なしかスタッフの子が冷淡なような気がしたのは、気のせいではないかもしれない。早く店じまいしたいのに、遅れてやって来る客だ。それに注文内容は、余っていたとは言っても、大トロ握り寿司の期間限定サービス商品オンリーである。そして何やら、ぜいぜいと不穏な呼吸をしている。
こういう時は、お互いにサッサと終わらせるに限る。
ともかく私は無事に商品を受け取り、かなりの雨降る夜道を無事故/無違反で、韋駄天のように自宅に戻った。
そして今回は2021年1月23日の経験を活かし、カゴに寿司パックをキチンと収納した。その上から空気ポンプなどを重りに入れておいたので、寿司パックから中身が飛び出す事件は起こらなかった。
あまりスマートとは言えないけれども、ともかく傘を差しながらの寿司ネタ運搬は、今回は無事に任務完了となった。
やっぱり美味しい大トロ
スシローの説明を信じるならば、わざわざ地中海から冷凍されてやって来た大トロである。
晩御飯に中トロ丼を食べたし、家族が寝静まってからの方が良さそうなので、23時過ぎまで待つことにした。今の時期は、窓辺におけば冷凍庫よりも良い状態で保管できる。
ちなみにスシローでは「特ネタ中トロ」という、大トロ握り寿司の半額である150円の中トロ握り寿司もある。(なんでも特ネタ中トロという呼ばれるらしい)
ともかく、もう1/24の閉店後なので、俺こそが本当に最後の「マグロの大トロ丼」を食べた者かもしれない。ネタは、相変わらず絶妙な脂肪の具合で、食感も申し分ない。さすがに回転寿司とはいえ、本マグロの大トロだ。
この時に覚えているのは、「スシローの大トロ握り寿司で作った大トロ丼は最高だ!」という思い出だけだ。もしも忘れることがあったら、もう一度だけ挑戦することにしたい。
(たしかに300円は相当な価格だけれども、特上の鰻重に比べれば大したことは… ない)
— 以上、小説風の説明終わり —
まとめ
最後の最後というか、期間終了が1/24の21時であり、ちょうどその時間に大トロ握り寿司を受け取りました。
なんか最後は大トロ握り寿司だけを注文するだけの展開になってしまったけれども、イヤな顔一つせず対応して下さったスタッフ店員さんたちには感謝しています。
さて次にスシローを訪問するのは、いつ頃になることでしょうか。
とりあえず、サポート対象から外れたiPhone 6Pなどを下取りに出して資金確保する意欲は出て来ました。
いつかまた、少しでも生活費に余裕が出来たら、ぜひ挑戦したいものです。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:よつばせい